年末調整 昨年から変わった点 ②
基礎控除及び所得金額調整控除に関する改正
(1) 基礎控除の改正
基礎控除額が次の表のとおり改正され、合計所得金額が2,500万円を超える所得者については、基礎控除の適用を受けることはできないこととされました。
合計所得金額 | 基礎控除額 | ||
---|---|---|---|
改正後 | 改正前 | ||
2,400万円以下 | 48万円 | 38万円 (所得制限なし) | |
2,400万円超 | 2,450万円以下 | 32万円 | |
2,450万円超 | 2,500万円以下 | 16万円 |
(2) 子ども・特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除の創設
その年の給与の収入金額が850万円を超える所得者で、次の4つの要件のいずれかに該当する場合に、給与の収入金額(その給与の収入金額が1,000万円を超える場合には、1,000万円)から850万円を控除した金額の10%にそうとうする金額(注1)を、給与所得(注2)の金額から控除することとされました。
イ. 所得者本人が特別障害者
ロ. 同一生計配偶者が特別障害者
ハ. 扶養親族が特別障害者
ニ. 扶養親族が年齢23歳未満(平成10年1月2日以後生)
(注) 1. (給与の収入金額-850万円) ×10% (最高15万円)
2. 「令和2年分の年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」を使用して求めた給与所得控除後の給与等の金額
(参考)
所得金額調整控除には、上記の控除のほか、給与所得と年金所得の双方を有する人に対する所得金額調整控除(以下「所得金額調整控除(年金等)」といいます。)もありますが、年末調整においては、所得金額調整控除(年金等)の適用を受けることはできません。ただし、確定申告により所得金額調整控除(年金等)の適用を受けようとする人が、、年末調整の際に「給与所得者の基礎控除申告書」等で合計所得金額を計算するときは、所得金額調整控除(年金等)を考慮して合計所得金額を計算する必要があります。
(3) 「給与所得者の基礎控除申告書」及び「所得金額調整控除申告書」の新設
上記(1)及び(2)の改正に伴い、それぞれ「給与所得者の基礎控除申告書」及び「所得金額調整控除申告書」(注1)が新たに設けられ、年末調整において基礎控除又は子ども・特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除の適用を受けようとする所得者は、その年最後に給与の支払を受ける日の前日までにそれぞれ「給与所得者の基礎控除申告書」又は「所得金額t要請控除申告書」を給与の支払者に提出しなければならないこととされました。
(注) 1.租税特別措置法第41条の3の4第1項に規定する申告書をいいます。
2. 「基礎控除申告書」及び「所得金額調整控除申告書」については、「給与所得者の基礎控除申告書兼給与所得者の配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書」(3様式の兼用様式)となっています。
(4) 源泉徴収簿の様式変更
税制改正により源泉徴収簿に以下の欄が追加又は変更されました。
[追加]
・ 「所得金額調整控除額⑩」欄
・ 「給与所得国所後の給与等の金額(調整控除)⑪」欄
・ 「基礎控除額⑲」欄
[変更]
・ 「扶養控除額、基礎控除額及び障害者等の控除額の合計額⑯」欄
→ 「扶養控除額及び障害者等の控除額の合計額⑱」欄
● 源泉徴収簿の変更点
令和元年分 源泉徴収簿(抜粋)令和2年分 源泉徴収簿(抜粋)
これらの追加又は変更に伴い、基礎控除額について、令和元年分の源泉徴収簿においては、「扶養控除額、基礎控除額及び障害者等の控除額の合計額⑯」欄に含めて記載することとなっていましたが、令和2年分の源泉徴収簿においては、「基礎控除額⑲」欄に記載されることとされました。
国税庁ホームページより