コラム
年の中途に推定相続人又は孫となった場合の相続時精算課税の適用
【平成30年4月1日現在法令等】
贈与者又は贈与者のことの養子縁組などにより、年の中途に贈与者の推定相続人又は孫になることがあります。
相続時精算課税は、60歳以上の贈与者から、20歳以上の推定相続人である子又は孫が受けた贈与について適用することができます(年齢は贈与の年の1月1日現在のものです。)。したがって、年の途中に養子縁組などにより贈与者の推定相続人になった場合や孫となった場合には、推定相続人又は孫となる前に贈与を受けた財産については、相続時精算課税の適用を受けることはできません。
【事例】養子縁組の年において、養子縁組前と養子縁組後の贈与がある場合
- Ⅹ年 1月10日 財産の贈与・・・(イ) 養子縁組前の贈与
- Ⅹ年 5月14日 養子縁組
- Ⅹ年10月20日 財産の贈与・・・(ロ) 養子縁組後の贈与
この年の贈与について相続時精算課税を選択した場合、養子縁組により贈与者の推定相続人又は孫となった以後の贈与(ロ)は、相続時精算課税の適用を受けることができます。したがって、養子縁組前の贈与(イ)については、暦年課税により贈与税額を計算し、養子縁組以後の贈与(ロ)は、相続時精算課税により贈与税額を計算します。
なお、養子縁組前の贈与(イ)に係る贈与税額の計算に当たっては、基礎控除(110万円)が適用されます。
(相法21の5、21の9、措法70の2の6、相基通21の9-4) 国税庁タックスアンサーより