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恒久的施設(PE)(令和元年分以後)

【平成31年4月1日現在法令等】

  (令和元年分とは、平成31年1月1日から令和元年12月31日までの期間に係る年分をいいます。)

  非居住者及び外国法人(以下「非居住者等」といいます。)に対する課税では、「国内源泉所得」のみが課税対象とされますが、同じ「国内源泉所得」であっても、その支払を受ける非居住者等の「恒久的施設」の有無、その「国内源泉所得」が「恒久的施設」に帰せられる所得かによって、課税関係が異なってきます。

  例えば、「恒久的施設」を有する非居住者に対する使用料等の対価について、その対価が恒久的施設に帰せられる所得である場合は、原則として源泉徴収の上、総合課税の対象とされますが、その対価が恒久的施設に帰せられない所得である場合は、原則として源泉分離課税の対象とされます。また、「恒久的施設」を有しない非居住者に対する使用料と対価については、源泉分離課税の対象とされます。

 

  「恒久的施設」という用語は、一般的に、「PE」(Permanet Establishment)と略称されており、次の3つの種類に区分されています。ただし、我が国が締結した租税条約において、国内法上の恒久的施設と異なる定めがある場合には、その租税条約の適用を受ける非居住者等については、その租税条約上の恒久的施設を国内法上の恒久的施設とします。

 

(1) 非居住者等の国内にある事業の管理を行う場所、支店、事務所、工場、作業場若しくは鉱山その他の天然資源を採取する場所又はその他事業を行う一定の場所。

(2) 非居住者等の国内にある建設、据付けの工事又はこれらの指揮監督の役務の提供(以下「建設工事等」といいます。)で1年を超えて行う場所(1年を超えて行われる建設工事等を含みます。以下「長期建設工事現場等」といいます。)

  なお、長期建設工事現場等の期間要件について、その期間を1年以内にすることを主たる目的として契約を分割して締結した場合などは、それらを合計した期間(重複する期間を除きます。)が1年を超えるかどうかで判定します。

 

(注1) 非居住者等に属する物品若しくは商品又はそれらの在庫の保管、展示又は引渡しのためのにみに使用又は保有する施設等については、それらが非居住者等の事業の遂行上準備的又は補助的な性格のものである場合は、上記(1)、(2)に含まれません。

(注2) 事業を行う一定の場所を有している非居住者等が、その事業を行う一定の場所以外の場所(以下「他の場所」といいます。)においても事業上の活動を行う場合において、他の場所が非居住者等の恒久的施設に該当するなど一定の要件に該当するときは、(注1)の取扱いは適用されません。

 

 

(3) 非居住者等が国内に置く代理人等で、その事業に関し、反復して契約を締結する権限を有し、又は契約締結のために反復して主要な役割を果たす者等の一定の者(以下「契約締結代理人等」といいます。)

  非居住者等の大人頭が、その事業に係る業務を、非居住者等に対し独立して行い、かつ、通常の方法により行う場合には、契約締結代理人等に含まれません。ただし、その代理人等が、専ら又は主として一又は二以上の自己と特殊の関係にある者に代わって行動する場合は、この限りではありません。

 

※ 特殊の関係とは、一方の者が他方の法人の発行済株式又は出資の総数又は総額の50%超を直接・間接に保有する等の一定の関係にある者をいいます。

 

日本国内に恒久的施設を有するかどうかを判定するに当たっては、形式的に行うのではなく機能的な側面を重視して判定することになります。例えば、事業活動の拠点となっているホテルの一室は、恒久的施設に該当しますが、単なる製品の貯蔵庫は恒久的施設に該当しないことになります。

 

(所法2八の四、5、161、164、所令1の2、所規1の2、所基通161-1、164-1、法法2十二の十九、4、138、141、法令4の4、法規3の4、法基通20-1-1) 国税庁タックスアンサーより

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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