建物を賃借するための権利金等
【平成30年4月1日現在法令等】
1. 権利金等の取扱い
法人が建物を貸借するために支払った権利金、立退料などの費用で支出の効果がその支出の日以後1年以上に及ぶものは、繰延資産となります。
ただし、建物の貸借に際して不動産業者などに支払った仲介手数料については、その支払った日の属する事業年度の損金の額に算入することができます。
2. 償却期間
繰延資産となる権利金等の償却期間は次のとおりです。
(1) 建物の新築に際して支払った権利金等で、その金額が建物の賃借部分の建設費の大部分に相当し、かつ、その建物が存続する期間中は貸借できる状況にあると認められる場合…その建物の耐用年数の10分の7に相当する年数
(2) 建物の貸借に際して支払った(1)以外の権利金等で、契約や慣習などによって、明渡しに際して借家権として転売できることになっている場合…その建物の貸借後の見積残存耐用年数の10分の7に相当する年数
(3) (1)及び(2)以外の権利金などの場合…5年
ただし、契約による賃借期間が5年未満の場合で、契約の更新に際して再び権利金等の支払を要することが明らかであるときは、その賃借期間となります。
(注1) 上記の償却期間に1年未満の端数があるときは、その端数を切り捨てます。
(注2) 償却限度額は、繰延資産の額を償却期間の月数で割ったものに、その事業年度の月数を掛けて計算した金額となります。
ただし、事業年度の中途で支出の場合は、「その事業年度の月数は」は支出の日から事業年度の末までの月数となります。この場合、月数は暦に従って計算し、1か月に満たない端数はこれを1ヶ月とします。
(注3) 繰延資産の償却費を損金算入する場合には、確定申告書に繰延資産の償却額の計算に関する明細書(別表16(6))を添付する必要があります。
(法法32、法令14、64、67、法基通8-1-5、8-2-3) 国税庁タックスアンサーより